今回は南米ペルーの人気観光地であるナスカの地上絵におけるセスナ酔いについて書いていきたいと思います。
ナスカの地上絵は南米屈指の絶景スポットでもあるので南米に行くなら是非訪れておきたい観光地です。しかし、旅行会社の口コミを見ていると「セスナ酔いがひどかった」との投稿も多く、乗り物酔いをしやすい方はそれを理由に敬遠してしまいがちかもしれません。
今回は、そんな方々が安心してナスカの地上絵観光をお楽しみできるよう、乗り物酔いしやすい体質なのにもかかわらず過去に2度もナスカのセスナに乗ったことのあるこのもんてびでお君が、ナスカの地上絵観光におけるセスナ酔いを絶対にしない方法をお伝えしていきます。
ナスカのセスナは酔う?
まず酔うか酔わないかに関してですが
単刀直入に言うと、
「人生で1回でも乗り物酔いの経験があるような人なら酔う可能性はかなり高い」と思います。
日本の乗り物であまり酔ったことのないもんてびでお君ですが、南米のバスでは何度か酔ったりしました。体質的にはこの程度のもんてびでお君ですが、何の対策もせずにナスカで初めて乗ったセスナはこれとは比較にならないほど酔いました。吐き気はもちろんのこと、酔いすぎて頭が持っていかれるような、また酔いすぎて手指末端が段々と痺れてくるといった経験をしました。正直、この経験をしたもんてびでお君は今後の人生で何があっても絶対乗らないと誓いました。
なぜセスナは酔うのか
通常酔いの原因となるのは視覚情報と三半規管のズレと言われていますが、それ以外にナスカのセスナに特異的なものとしては、頻繁な旋回による遠心力(いわゆるg↓)が挙げられます。ナスカの地上絵をより近くで鮮明に見るためにはセスナ自体を旋回する必要があり、この時に掛かる遠心力が内臓を圧排し迷走神経系に影響することで、吐き気といった消化器症状やめまいといった自律神経症状を生じさせます。これが通常の乗り物酔いと少し違う厄介な所です。
セスナ酔いしやすい人
ではセスナに酔いやすい人や逆に酔いにくい人はいるのでしょうか?
自分が酔うかどうかが分かればある程度覚悟が持てたり旅行行程を変更するきっかけになるかもしれません。しかし、こればかりは体質やその日の状況としか言いようがなく、言うならば高山病に罹る人罹らない人の違いとでも言いましょうか。高山病も普段から身体を鍛えているから罹らないといったことはなく、プロのスポーツ選手でも普通に罹ることがあります。セスナもそれと同じです。
しかし、症状に差はあれど、体感としては多くの観光客の方がなんらかのセスナ酔いを経験しているような気はします。実際に現地でセスナを操縦しているパイロットの方に聞いてみたところ、彼らも当初は先輩操縦士の運転でひどいセスナ酔いをしたと言っていました。そうかと思えば、全く酔うそぶりを見せずにっこりしてセスナから降りてくる高齢の中国人観光客の団体もいたり…世の中何が起こるかは本当に分かりません。
大型セスナと小型セスナ
ナスカの地上絵を見るには大型のセスナ(約20人用)と小型のセスナ(6人用)があります。大型のセスナは低空飛行や派手な旋回が出来ないため機体自体は比較的安定しています。それに引き換え、小型のセスナは風の影響であったり頻回の旋回のためかなり不安定な飛行をします。つまり、大型の方が酔いにくいと言えます。
この点においては大型のセスナの方が良さそうにも思えますが、もんてびでお君はそれでも小型のセスナの利用をおすすめします。理由としては、大型セスナは地上絵からの距離も遠く、また旋回もしないため肝心の地上絵自体がよくわからなかったとの意見があるからです。そもそもよく見えないのであれば無理にセスナに乗るのではなく、イカのオアシス都市(ワカチナ)であったり、その他の観光地に行く方がいいようにも思うからです。
以下では、小型セスナにおいて酔わずに地上絵を見るための方法を解説していきます。
セスナ酔いをしない方法
1. 前日入りする
体力を温存する。これが一番大事です。セスナ酔いに関しては自律神経の乱れが特に影響します。ゆっくり休んで体調の万全な時に乗るのが一番いいです。
もんてびでお君が初めてナスカのセスナに乗ったのは、長距離バスで何時間もかけてナスカ入りした日の午後でした。ナスカに到着して荷物を整理していると、ホテル内にいたツアー会社の人が「今日は雲がなく最高にいい天気だから絶対今日乗ったほうがいいよ。明日以降は雨が降るかもしれないからな」と勧めてきました。よくよく考えるとナスカなんてめったに雨が降る場所じゃないし、ツアー会社側が先に利用者を確保したいだけなのに、まんまと騙されてその日のうちに足を急いでしまいました。結果として、長距離バスの疲れがもろに影響し尋常でない酔いを経験するのでした。
2. 午前中の早い時間に搭乗する
これも非常に大事です。セスナ酔いに関しては自律神経の乱れが影響すると言いましたが、この自律神経、環境の温度に非常に影響されます。ナスカ地方は日射量も多く午後は午前に比べて機内の温度が高くなるため、自律神経の乱れも激しくなりより酔いが悪化します。また、暑くなると脱水傾向となり血圧の変動なども起こりやすくなります。これもめまいの原因となったりするため併せて気持ちが悪くなる原因となります。そう考えると、暑くなる前の午前中の早いところでのフライトがベストかなと感じます。
また、現地のセスナパイロットさん曰く午後の方が風が強いことが多いようで、揺れが少なく酔いにくいのは間違いなく午前中だと言っていました。
3. 写真撮影に没頭しすぎない
これは写真好きの方に関しては大変難しいかもしれませんが、飛行中ずっとファインダー越しに写真撮影を試みる事だけはやめましょう。ファインダー越しだと視覚情報と三半規管からの情報にずれが生じやすくなるため酔いやすくなります。
また、小型セスナの場合、右側でも左側でも平等に観光客に地上絵が見えるように各地上絵ごとに両方を下にするように旋回します。そのため、自分と違う側で「ハチドリが見えた!」と言っていたとしても、欲張って無理にみようとはせず落ち着いて精神統一することが大切です。セスナに乗っている時間は30分程度ですが、後半酔って撮影どころではなくなってしまう方も多いので、地上絵の合間合間ではゆっくり休息をとることが大事です。
4. 制吐薬を持参する
酔い止めというか吐き気などの消化器症状に聞くお薬としてはメトクロプラミド(metoclopramide)というものがあるようです。日本では商品名プリンペラン錠として医師の処方の下使用することが可能です。ペルーにおいては医師の診察なしで薬局にて購入できるようですが、医薬品の副作用といった観点から素人が現地で購入することは勧めません。もし必要になると感じる方は旅行前に日本の医療機関にて予め相談し、海外旅行に向けて処方可能かどうかなどをご相談いただく方がよいと思います。注意点として、この場合はおそらく自費診療になると思います。
5. 恐怖心を捨て去る
いざ小型セスナに乗るとその不安定さに墜落事故の危険性などを心配される方も多いと思われます。この恐怖感が余計に体調を悪化させるので、必要以上に怖がらないことが重要です。絶対に墜落しないとは言えませんが、可能性はかなり低いということだけでも頭に入れておくことでもいいのではないでしょうか。
6. 地上からナスカの地上絵を見る方法
最後に、これは最終手段とです。これなら絶対に酔いません。ナスカの地上絵を見ようと思った場合、セスナから見る方法が一般的です。しかし、セスナに乗らずに地上から地上絵を見る方法もあります。この場合見れる地上絵は「手」と「木」に限られますが、ナスカの展望台(El Mirador)から見ることが出来ます。入場料は5ソル程度であったと記憶しています。具体的な住所は下に載せておきます。
行き方としては、イカ行きのローカルバス(5ソル程度)に乗って行く方法もありますが、不安な方はタクシーやツアーでも行くことが出来ます。
セスナ酔い対策の結果
以上1~5の方法を実践し、もんてびでお君は再度数年越しにナスカのセスナに乗ってみました。
前日に快適なホテルに泊まり、午前中の一番早い時間に搭乗し、水分をたっぷり摂り、薬も飲み、恐怖心を捨て去り、撮影も最低限に…そして、いざ2回目のセスナへ。
結果…
ほぼ、酔いませんでした。
いや、酔ってはいるんかい!!!と思った方もいるかもしれませんが、軽い車酔い程度で済みました。
これなら普段乗り物酔いやすい人でも無理ではない気がします(もちろん個人差はあるので断言はできませんが)。本当の本当に酔いたくない人は6の地上から見る方法を実践してください。
まとめ
今回はナスカの地上絵のセスナで酔わない方法を紹介しました。この記事を参考に少しでもナスカの地上絵のセスナ旅を満喫できる方が増えることを祈っております。もんてびでお君は他にも南米関連の記事をたくさん書いていますのでご興味ある方はご覧になっていただけると嬉しいです。では。